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診断・治療 実績例(7)ハルニレ
下川町名木指定のハルニレ
 (幹周568p 平成23年10月27日 計測時)
下川町立下川小学校校庭内
過去に台風の被害を受け樹木医によって治療を受けていました。(平成14年11月20日)

診断依頼内容は、樹勢が弱ってきたので回復させるための処置方法を考えてほしいとの事だった。

早速ハルニレを診てみたが、急激に悪化するような深刻な問題はなさそうだったが、台風で東側の大枝が折れて西側と東側で枝のバランスが悪い事、ウレタン処理された腐朽部のカルス形成ができていない事、根鉢部への立ち入り禁止処置はされているが長年踏圧で土壌硬化が起きている事などが気にかかった。

【対策】 1. 劣化したウレタン処理部分を開口して腐朽の侵攻状況を確認する。
  2. 腐朽の侵攻は止める事は出来ないが傷口を乾かして防腐処理を施す。
(CODIT理論の提唱者 Alex L.Shigo博士による傷口から内部の組織が腐朽するのを防ぐため樹木は防護壁を作り守る。そのため傷口の削りすぎに注意が必要)
  3. 完熟堆肥をもちいた土壌改良。
……などの方法を提案しました。
過去に樹木医の先輩方が処置したウレタン処理部分、表面は紫外線などによって劣化が著しい。
内部の腐朽が進んでいなければ良いのですが、あえて開口して処理する方法を提案させていただきました。

下川町のように木や自然環境を大切にしている町では、私達のような樹木医を招いてくれる事が多く、大変勉強になります。
今後とも、これらの事例を基に次の診断の糧にさせていただきたいと思います。