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(5)街路樹編#2 植栽間隔
街路樹は皆さまに落葉で迷惑をおかけすることばかりで本当にメリットはないのでしょうか?・・・・ちょっと違った方向から街路樹の利点と言うか機能について書いてみます。
私が造園の勉強を学んだ時、(立派でまじめな学生ではなかったが)造園が扱う分野の中には都市計画も含まれていました。(造園の扱う範囲が広いので驚いた)
都市の景観とか、防災機能とか、交通やアクセスの問題……などなど、もうすっかり忘れてしまったが習ったような記憶があります。

その中の極々ひとつに街路樹の効果や機能植栽の項目があった気がします。
街路樹の効果や利点とは、
  (1)ヒートアイランド効果の軽減(気象の緩和と言うべきか)
  (2)騒音等の軽減(有と無では違うらしい)
  (3)塵や埃などを吸着する空気の浄化(葉っぱが活躍する)
  (4)道路の景観をよくする(緑はボロを隠すと言います)
  (5)緑陰効果(夏の日差しの軽減) 
  などなど、教科書ではもっと難しいありがたい言葉で羅列された効能書きのように書いてあったような気がします。

つまり街路樹は都市で生活する人間にとってすごく重要だと言っているのです。
デメリットは落葉の問題、根の問題など皆様よく御存じの事が良くない問題です。
それでは長所短所の話はこれぐらいにして街路樹の植栽間隔について書いてみたいと思います。
これも昔習った事なので、うろ覚えなのですが街路樹の植栽間隔は市街地で6~8mぐらいが良いと習いました。また、郊外の広い道路は10~15mぐらいで、どちらもきっちり何メートルと決まっていないところが、生き物を扱う造園らしくて良い所です。
こんなに、「いっぱい植えないといけないのかい、あなた方造園の仕事が増えるようにと考えているのかい」と言われそうですが……

さてここからが本題です。
この2~3年歩道に自動車が突っ込んで登校中の小学生を何十人も跳ね飛ばし死亡事故を起こしたと、痛ましいニュースを耳にします。
その時いつも思うことは、もし、そこに街路樹が植えてあったら犠牲者が出なかったのでは、あるいは出たとしても少なかったのではないかと考えさせられます。
また、運転していた方も、コンクリートの電柱にぶつかるよりはるかに衝撃は、少ないはずです。
つまり、造園的に道路の構造でもっとも大事なことは、車が、木の間をすり抜けにくい間隔で植栽されていることが重要なのです。

その間隔の目安が市街地6~8mなのです。
だてに街路樹が植えてない事がわかりましたか。
でも、理由や理論がわかったとしても実践されていなければ絵に描いた餅と一緒です。

理論がわかったら検証にいってみましょう。
弊社の近くの小学校です。交通量の多い通りに面していて通学路になっています。
植栽間隔を測ったら約7mでした。

結論として
旭川市の都市計画及び街路樹の計画は正しかったと判断します。
よって勝手ながらこの学校の通学路に関しては、合格とさせていただきます。
嫌われがちな街路樹ですけど、もしもの時を想定して小中学校の通学路ぐらいは植えた方が良いと考えます。
樹木にとっては、本当は広い間隔で植えてもらい枝を大きく広げ光を浴びたいところですが今回は人間のために一肌脱いでもらいます。

市内の小中学校の先生方、木を植えようと思った時、校庭の木でわからない事があった時はいつでも御連絡下さい。